輸出先の発見→商品・サンプルなどの送付→見積書の作成(相手先から請求があった場合)→契約書の取交し→信用状の入手→貨物手配と出荷準備→通関業者に貨物・船積必要書類を渡す→船積書類などの入手→輸出代金の回収。
(一)国際取引は輸出入を問わず、法令に基づいて相応の手続きを行わなければならない。輸出の手順は図8-1のように示されている。
図8-1 輸出手順のチャート図
(二)輸出手続きの流れを説明する
1.輸出者と輸入者にて売買契約を結ぶ。
2.契約に基づいて、船積み期限に間に合うように商品を調達する。
3.政府指定機関への許可、申請手続(貨物の種類によっては、税関に輸出申告する前に政府指定機関などの承認、許可、検査を必要とする場合がある)。
4.船積予約(Booking)をする。
5.海上保険契約を結ぶ(CIF契約の場合)。
6.貨物を保税地域へ搬入する。
商品は、品質検査、輸出包装後、荷印(Shipping Mark)の刷り込みをし、輸出できる状態にして搬入する。
7.輸出の通関や本船積み込みまでの手続きは、通常、通関業者が代行して船積手配を行う。現在は、通関業務の迅速化への要請に応えるためNACCS(通関情報処理システム)にて税関各種手続きなどをオンラインで処理している。
通関業者は、輸出者が発行する船積依頼書(Shipping Instruction)に従い、輸出貨物情報をNACCSに入力し、税関や保税蔵置場に連絡する。貨物が保税地域に搬入されたことを確認し、輸出申告を行う。
8.輸出貨物はCFSへ運ばれる。輸出許可後を受けた、貨物はコンテナに詰めされてCYへ送られる。コンテナ1本分に満たない少量貨物の場合は、他の貨物と混載する為に船会社指定のCFSへ運ばれる。在来船に積まれる場合は、船積み予定船の入港に合わせて岸壁へトラックで運ばれる。
(上記の他にも様々な作業形態がある。)
9.通関業者は船積み書類を作成し船会社へ提出する。船積み完了を確認した後、船積条件に従って海上運賃等を支払い、船荷証券(B/L)を船会社から発行してもらう。
10.輸出者は、貨物の船積みが終わると、輸入者あてにインボイスやB/L、またはCOPYなどの書類を船積通知(Shipping Advice)として送る。
11.信用状決済による場合は、信用状の条件に従って必要な船積み書類を揃える。 (www.daowen.com)
(1)主要な船積み書類:
①商業送り状(Commercial Invoice)
②船荷証券(Bill of Lading,B/L)
③海上保険証券(Marine Insurance Policy)
(2)補足書類:
①包装明細書(Packing List)、領事送り状(Consular Invoice)
②原産地証明書(Certificate of Origin)
③容積重量証明書(Certificate and List of Measurement and/or Weight,CLM)
12.輸出者は、船積み書類が完全に揃ったら為替手形と買取依頼書を添付して、取引銀行に買取を依頼し、貨物代金を受領する。
銀行への提出書類:
①荷為替手形買取依頼書(Application)(為替手形が取り立て扱いのときは輸出荷為替手形取立依頼書)
②為替手形(Bill of Exchange or Draft)
③上記の船積み書類(主要書類ならびに必要な補足書類)
④信用状原本(信用状取引でないときには輸出契約書の写し)
銀行は、これらの書類が信用状に書かれている条件を満たしていることを確認して買取を行い、手形金額を支払う。
輸出者は、船積み後、数日で輸出貨物代金を入手することができる。
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