信用状は以下のように、いくつか種類に分類される。

（一）荷為替信用状（Documentary L/C or Documentary Credit）

荷為替信用状とは、貿易取引に広く利用される信用状で船積書類の提供を条件とする信用状である。

（二）クリーン信用状（Clean L/C）

クリーン信用状とは、荷為替信用状（Documentary Credit）に相対する荷落信用状（Documentary Clean Credit）や入札保証のような貿易外取引の決済に利用されるStand-by Creditなどを指す。

（三）取消不能信用状（Irrevocable Credit）

取消不能信用状とは、発行銀行がいったん信用状を発行した以上は、有効期限内に信用状当事者全員の同意がない限り、一方的に取消しまたは変更することが出来ない信用状を言う。売主は、代金回収上の不安を取り除くため、接受した信用状に Irrevocable の記載があるか否か点検することが重要である。

なお、現在の信用状統一規則では「取消可能」か、「取消不能」の明示のない信用状は取消不能信用状として扱われる。

（四）取消可能信用状（Revocable Credit）

取消可能信用状とは、発行銀行が買取銀行の行われる支払い以前に、受益者に対して事前の通告なしに、いつでもその条件を変更したり、取消したりすることのできる信用状である。受益者にとって、この種の信用状は、保証がなく、不利、不安定であることから、貿易取引においてほとんど使用されていない。

通常売主は取消可能信用状を接受することはない。だから、Irrevocable またはRevocable の記載がない場合は、Irrevocable とみなされるため、この点、注意が必要である。

（五）確認信用状（Confirmed Credit）

確認信用状とは、発行銀行以外の銀行が、当該信用状の発行による支払い、引受けなどの確約に加えて、同じように支払い、引受けなどを保証する旨をうたった信用状をいい、このような他行による保証確約のない信用状を無確認信用状という。(www.daowen.com)

（六）無確認信用状（Unconfirmed Credit）

無確認信用状は、発行銀行が破産し、手形が不渡りになった場合、売主は、手形振出人として買取銀行の償還請求に応じる必要がある。

（七）一覧払い信用状（At Sight L/C）

一覧払い信用状（At Sight L/C）の特徴は、受取人がの信用状為替手形を呈示すれば、銀行が直ちに支払いを行うことである。国際貿易において、売り手にとって最も有利なのが一覧払い信用状です。便利で、すぐに代金の集金ができる。

（八）ユーザンス信用状（Usance L/C）

ユ―ザンス信用状（Usance L/C）とは、開設銀行または支払銀行が信用状に該当する書類を受け取った場合に、期限内に支払義務を履行するための信用状である。受取人がユ―ザンス手形を発行する。この類の信用状は割引が可能で、つまり、受取人が利子を支払うだけで、あらかじめ資金の一部または全部を使うことができる。国際貿易において、ユ―ザンス信用状は非優れた融資方式である。

（九）回転信用状（Revolving Credit）

循環信用状ともいう。信用状は通常、限度金額を全額使用するか、有効期限が経過すれば、たとえ未使用残高が残っていてもその効力を失うものであるが、この回転信用状は金額限度が使用されても、一定の方式、条件（手形買取り済みあるいは支払済み）によって、自動的に復元する信用状をいう。

（十）譲渡可能信用状（Transferable L/C）

信用状の原受益者が1名あるいは数名の第三者に、1回に限り、信用状の全額またはその一部の金額を譲渡することをあらかじめ認めた信用状である。

（十一）同時開設信用状（Back to Back L/C）

求償貿易を相互に厳格に履行するために用いる信用状であり、A国とB国の双方で開設される信用状は同額で相殺できるものでなければ、有効とならない旨の条件がうたわれている。