その取り決め方は商品の性質によって異なるが、主なものは次のとおりである。
(一)見本取引(Sale by Sample)
繊維や紙、雑貨品の取引に多く利用される。引渡した商品の品質と見本の品質と違いがあれば、クレームの発生となり、当該商品の引き取りが拒否されたり、解約といいう事態もありうる。Quality to be same as Sampleという表現をすると、見本と全く同質のものを要求されるおそれがあるので、Quality to be similar to Sample(見本品質に類似)のような表現にすべきである。見本にはPattern(柄見本)、Coloring(色見本)、Design(意匠)、Model(模型)などがある。
(二)規格または等級取引(Sale by Grade or Type)
ねじ、ボルト、ナット、軸受けなどの機械部品は規格で機種、品質が決定される。鉄鋼や化学品のようにライン生産される工業製品は材質、用途、性能、種別に至るまで規格化されているので規格により商品明細が決定される。繊維の場合、糸の長さと重量との関係を表す番手(Count)という単位があり、番手の等級により品質が決まる。
日本にはJIS(日本工業規格)やJAS(日本農林規格)という国家規格がある。工業製品の規格としてISO(国際標準化機構規格)やIEC(国際電気標準会議規格)のような国際規格、ドイツのDIN(ドイツ工業品標準規格)、アメリカのASTM(米国材料試験協会規格)、MIL(米国軍需規格)、ANS(米国標準規格)、イギリスのBS(英国標準規格)などが知られている。
なお、規格に対応する英語はStandardであるが、規格取引はSale by Standardではなく、Sale by Grade or Typeであり、Sale by Standardは後述の標準品取引を指す。
(三)銘柄取引(Sale by Trade Mark or Brand)
世界的に知られたブランドやトレードマークであれば、買主が銘柄を指定することで商品の品質が決定される。ブランディやワインなど等級や年式を指定することにより品質が決定される。カタログを通しての国際通信販売は銘柄取引と解釈できる。
(四)仕様書取引(Sale by Specification) (www.daowen.com)
機械などの取引では、構造、材質、性能、取扱いなどの必要事項を詳細に記述した仕様書が使用される。図面、写真、カタログなども添付される。プラント機器のようなオーダーメードの場合、膨大な量のスペックや設計図面が提供される。
(五)標準品取引(Sale by Standard)
実物見本のない収穫予定の農産物などには先物取引の対象になるものが多い。そのために基準となる品質と値段を設定する必要がある。同業組合や取引所のような公的な機関が、そのシーズンの標準品(Standard)と値段を設定し、これを取引の基礎とする。標準品と現物との間の品質の差が大きい場合は、値引きまたはプレミアムをつけるなどして値段の調整を行う。
標準品売買における品質決定方法には次のようなものがある。
1.GMQ(Good Merchantable Quality)適商品質条件
木材や冷凍魚などに適用される。揚地で現品を検査し市場性のない品質と判明した場合、その責任を売主に負担させるという条件。
2.FAQ(Fair Average Quality)平均中等品質条件
主として穀物類の先物取引に用いられる。引渡すべき商品の品質基準(Standard)は、当該商品の船積時期・場所において出荷されているその季節の収穫物の中等品質であるとして価格を設定している。
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